自動車に使われている磁気利用センサ

摘要

磁気センサは，磁界を測定対象とするセンサと磁気の現象や磁気特性変化を利用して，変位，位置，速度，力，トルクなどの力学量または何らかの情報に基づく電気信号を出力するセンサに大別することができる。 前者は，狭い意味での磁気センサであり，平成13年度には約700億円の生産実績が報告されている．後者を，磁気利用センサと呼ぶ。これらの磁気センサは多種多様な動作原理に基づくものがあり，日常生活の身近なところから科学技術の最先端分野まで各種のセンサが使用され，今日の情報化社会を支えるキーデバイスの一つである。 最近の自動車には使用されているセンサの数が，数百以上というものもあり，各種のセンサが使用されている．なかでも磁気センサは,高い信頼性と価格面でのメリットから，エンジン回転数測定のためのセンサをはじめとして，ABS（Anti-lock Braking System），TRC（Traction Control System），VSC（Vehicle Stability Control）などのシャーシ制御システムや,エアバッグ，オートエアコン，ナビゲーションなど安全·快適，通信分野への応用も進んでいる。