資源が豊富な米加豪の工業製品に大きな経済効果

摘要

TPP（環太平洋戦略的経済連携協定）で撤廃を予定する日本のレアメタル関連製品の関税は，EPA（経済連携協定）を締結していないアメリカやカナダ，ニュージーランドのほか，除外品があるオーストラリアの4カ国の製品に課されてきたが，TPP発効後は関税額の3分の2が即時撤廃され，残り3分の1も10年間の猶予期間後に撤廃される。日本とEPAを締結·発効してきた8カ国のうち，オーストラリアを除いた7カ国（マレーシア，ベトナム，シンガポール，ブルネイ，メキシコ，ペルー，チリ）の製品は，日本が経済発展を支援する特恵関税の適用国として扱いすでに関税を撤廃·低減してきたため，TPPによる経済効果に乏しい。一方，日本とEPAを締結していない3カ国の製品はWTO（世界貿易機構）の加盟国向けの関税率が適用され，オーストラリアの一部製品は低率のEPA関税が課されてきたものの，TPPの発効後は即時撤廃される関税額が多く，