特集「タグチメソッド」の編集にあたって

摘要

TQMを支える技術として世界に知られる日本の品質管理技術は①製造向けのQC七つ道具などの統計解析技術②スタッフ向けの新QC七つ道具③製品企画の調査解析技術である商品企画七つ道具④情報伝達や管理のための品質展開(QFD）⑤経営者や管理者の方針管理技術などを代表とするが，技術開発や製品設計の現場で品質を直接作り込む技術の分野では，過激な表現でいえば，PDCA(問題解決法）以外には特記すべき技術を提供してこなかった。 この部分は固有技術の範7疇として品質管理技術の外に置かれてきた。 その一方で同じ日本生まれのタグチメソッドは，品質管理の外の世界では「品質を作り込む技術(予防設計技術）」と認識され，実用されている。 海外でも1980年代半ばからASQCで知られ始め，中身はともかくその名だけは世界中で知られている。 日本では機械·電気などの専門技術者を中心とする品質工学会が1993年に設立され，2002年3月には会員数が2,150名に達するほど拡大している。 今回,当学会でタグチメソッド特集を企画したのは，タグチメソッドを品質管理技術の面から再認識し，日本の品質管理活動での活用を促進することを狙ったことによる。