DOHaDをめぐる疫学：先駆的研究から最新のゲノムワイド研究への展開

摘要

Developmental origins of health and disease(DOHaD)は，役字研 究から得られた知見に基づいて提唱され，"ヒトの健康や疾患等の 健康状態は，胎児期?幼小児期の発達段階を起源としている"という 酵的学説である。特に，この胎児期-幼小児期に起こるェピジェ ネティック変化の誘導によって，成人期以降に発症する非感染性疾 患(non-commimicable diseases ； NCDs)に対する感受性が形成され ると考えられている。世界中に蔓延するNCDの根本的な予防対策 として，このB寺期に適切な保健介人をすることによって最大限の効 杲が期待されている。最近のゲノムワイド関連研究(genome-wide association study ； GWAS)により，出生時体重と成人期膽の2型 糖尿病と高血圧，出生時翻と晩年の神経変性疾患のように，発達期 の発育指標と成A期以降に発症する慢性疾患との間に遺伝的な関連が あることが示唆され，DOHaD説を遺伝学的な面からも支持するェビ デンスが蓄積されてきた。今後，ライフコ-スのヱピジェネティック 変化の過程のェビデンスの蓄積とともに，胎児期-小児期における先 制医療の重点化大規模プロジょクトの計画立案や中枢研究教育拠点の 設置により,DOHaD研究が-層発展することを期待したい。