公試に出動する戦艦「鹿島」

摘要

準ド級戦艦香取型2隻の2番艦鹿島は，明治39年4月上旬，英アームストロング社エルジック造船所で艤装工事が概成し，タイン河口沖で公試を実施した。写真は公試のため4隻の外輪曳船支援の下，エルジックからタイン河を下って外海へ向かうところ。早朝の清々しい雰囲気が画面からも伝わってくる。第2号甲鉄戦艦と仮称された本艦は，明治36年度計画艦だが，完成は日露戦争後となった。37年2月13日の起工で，38年3月22日進水し，出動公試は39年4月早々に始まり，同10日終了している。その後1カ月ほどかけて最終艤装を行ない5月23日竣工。ポーツマスに寄港したのち離英し，同年8月4日スエズ運河経由で橫須賀に到着している。常備排水量16,400トン，主機レシプロ，速力18.5ノット。主兵装は30.5センチ連装砲2基，25.4センチ単装砲4基，15.2センチ単装砲12基，45センチ水中魚雷発射管5門。回航委員長(初代艦長)は海兵7期の伊地知季珍大佐だった。