メーカー·工場別で増減に大きな差が出た2016年の古紙消費

摘要

品種別·メーカー別に見た2016年の古紙消費実嫌が、古紙再生促進センターの集計でまとまった。昨年の古紙消費は、板紙向けが順調に増加したものの数年来の傾向である紙向けの不振により、ほとんど横ばいながら2年連続で前年実嫌を下回った。過去最高だった2007年の1,931万tと比べれば、16年の消費量は233万tも少ない1,698万tにとどまっている。ただし昨年の場合、メーカー(工場)別にみた対前年増減率(量)は大きくバラついており、順位も少なからず変動している。日本の古紙は国際商品として常に一定の海外需要があり、特に昨秋から年末にかけては段原紙需給の通迫で古紙調達に危機感を抱いた中国メーカーからの引き合いが活発化、実勢価格は上昇気味に推移した。こうした市場環境のもと、日本のメーカーはどのような原料調達戦略をもって臨んでいるのか—それはひいては自社(グルーブ)の手がける製紙事業にどのような展望を抱いているかという設問でもある。その意味で昨年の古紙消費実績の中にも各社の調達に対する考え方、スタンスの違いが現れているはずだ。