アルカリ抽出法による下水汚泥焼却灰からのリン回収システム

摘要

わが国の下水道には，生活排水等に由来する大量のリンが流人している。下水汚泥焼却rn灰には高濃度のリンが濃縮されており，リン資源の高騰著しい昨今，数少ない国内供給のrn可能なリン資源として注目を集めている。アルカリ抽出法による下水汚泥焼却灰からのリrnン回収システムは，岐阜市と共同で開発した技術であり，アルカリ溶液による焼却灰からrnのリン酸イオンの抽出と消石灰による回収を基本原理としている。リン濃度の高い焼却灰rnから回収するシステムのため，処理水や返流水から回収する場合と比較して回収量当たりrnの設備が小さくなる点と，抽出液を循環して再利用する点を特徴としており，生成物としrnて，①焼却灰に由来する有害元素が低減され，リン濃度が30％（P_2O_5換算）程度の「副産りrnん酸肥料」あるいはリン鉱石代替品として利用可能な回収リン醸塩と，②有害元素の溶出rn量を低減し土壌環境基準を満足する脱リン灰が得られる。