水稲の環境負荷低減技術の体系化と負荷予測モデルの開発

摘要

日本最大の琵琶湖と大阪湾流域の水環境保全に寄与するため，近畿農業の主体である水rn稲の環境負荷低減技術として特別栽培米（化学肥料・化学合成農薬の使用量を通常の5割rn以下に低減）の技術体系を確立し，その取組み効果を流域レベルで定量的に評価した。rn化学肥料使用削減技術として，水田ハローによる浅水代かきと有機質肥料の側条施肥のrn組合わせは，肥料と水を効率的に利用し，水稲の収量・品質を安定化させ，栄養塩類流出rn量も30～50％低減した。化学合成農薬の使用削減技術として，均平・漏水防止技術や低成rn分一発除草剤の適期処理技術を開発した。アオコが発生するため池（5mgN/l以上）からrn用水を利用する場合，施肥量を20％削減できた。これらの技術体系を現地圃場で実証し，rn流出負荷低減効果が高く，水田の水質浄化機能も発揮されることを明らかにした。rn水田からの流出負荷予測モデルを開発し，流域レベルで環境農業直接支払制度の取組みrn効果を評価した結果，集落機能を活用しながら，水田農業を守り，環境負荷低減技術に面rn的に取り組むことが水資源・水環境の保全に重要かつ効果的であると考えられた。