有機性排水処理技術分野における環境技術実証事業の意義と動向

摘要

環境技術実証事業(ETV (Environmental Technology Verification)事業)は，平成15年にモデル事業(公費負担)として開始され，その後，逐次有料化(開発者負担)事業に移行して，今日に至つている。「有機性排水処理技術分野」(「小規模有機性排水処理技術分野」として発足)は，発足と同時に選定され，モデル事業および費用負担事業として多くの技術の実証を行なってきた。実証された技術は主として，公共用水域に排水される小規模な生物処理槽，処理後は下水道に排出される生物処理槽ゃ物理化学処理槽，ならびに，主として高濃度の油脂を含む排水から油脂類(n-へキサン抽出物質)の除去を目的とした処理装置(グリーストラップ付属装置)に大別される。また，実証目的に汚泥の減量·発生抑制が対象として加わり，生物処理槽の汚泥発生量削減も実証されている。