籾殻原料活性炭の浄水器用途を考えた水中有機物除去性能

摘要

新たに製造技術が開発され，市販され始めた籾殻原料の活性炭と，従来から浄水器用に広く使用されている代表的なヤシガラ原料の市販活性炭について，水中の有機汚染物質の代表として陰イオン界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS),トリアジン系除草剤のシマジン(CAT)，有機リン系殺虫剤のフェニトロチオン(MEP)，および有機塩素系殺虫剤のクロロタロニル(TPN)の除去性能を調べて比較した。市販粒径では，すべての物質について，籾殻原料の新活性炭が著しくすぐれた除去性能を示した。また，粒径を揃えた場合にも，同重量では著しくすぐれた性能を示し，同体積でも籾殻原料の活性炭がすぐれた性能を示すことが明らかになった。これらの結果は，籾殻原料の活性炭が，大きな孔と中程度の孔が非常に多い構造となっているため，分子量が大きめの有機汚染物質の粒内拡散(吸着)速度がヤシガラ活性炭より著しく速いことによると考えられた。