オゾン前処理が濃縮余剰汚泥のバイオガス化および消化汚泥の脱水性に及ぼす影響

摘要

難分解性の濃縮余剰汚泥のバイオガス化向上を目的として，2個所の浄化センターの余剰汚泥にオゾン前処理を行ない，回分式嫌気性消化実験と連続実験を実施した。2施設は汚泥の濃縮方式が異なり，Aセンターは凝集剤無添加で遠心濃縮，Bセンターは高分子凝集剤を添加して常圧浮上濃縮を行なっている。回分実験の結果，Bセンターはオゾン前処理の効果がAセンターよりも低く，凝集剤による阻害効果が考えられた。一方，滞留日数20日で実施した連続実験では，前処理をオゾン吸収量65mg/g-TSで行なった場合，A,Bセンターともに安定状態においてバイオガス発生量が未処理系に対し45%程度増加した。Bセンターにおいても馴致によってAセンターと同等の効果が得られ，オゾン前処理の汎用性が示唆された。さらに，運転終了後の消化汚泥を用いて脱水試験を実施した結果，オゾン処理系では脱水汚泥の含水率の低下と減容効果が確認でき，オゾン処理は汚泥減容の面でも有利であることが示された。