濃縮余剰汚泥の嫌気性消化におけるオゾン前処理の効果

摘要

難分解性の濃縮余剰活性汚泥のバイオガス化を促進させるため，オゾン前処理の効果を実験的に検討した，オゾン前処理は，オゾン吸収量30，60mgO_3/g-TSの条件(以下，オゾン30,オゾン60)を中心に行い，回分式嫌気性消化実験と連続実験を実施し，未処理の余剰汚泥と消化特性を比較した.回分実験の結果，ォゾン吸収量が高いほどバイォガス生成量および固形物分解率の増加が確認された.連続実験は滞留日数(HRT)30日および20日の条件で行った.安定状態における投入VSあたり(未処理基準)のバイオガス発生量は，HRT30日の運転では,未処理の407 mL/g-VSに対して，オゾン30では464 mL/g-VS,オゾン60では509 mL/g-VSを示し，発生量がそれぞれ14%,25%増加した.HRT20日の運転では，未処理は304 mL/g-VS,ォゾン30は448 mL/g-VS,ォゾン60は494 mL/g-VSであり，増加率は48%,63%となり，高負荷条件においてォゾン前処理の効果が高いことが明らかになった.オゾン処理系では固形物分解率も向上する一方で，溶解性CODが上昇するなどの特徴がみられた.