コロラド州における山火事後の浄水処理に対する影響

摘要

山火事が水道事業に及ぼす懸念は多くの水道事業体とも密接に関係している。山火事後の荒天時ではPoudre川でDOC濃度が増加し、それに応じて、塩素消毒後のDBP生成量も増加した。一般的に、山火事後のPoudre川流域のDBP生成量はコロラドにおける地表水30カ所の平均的なDBP生成量よりも多く、Poudre川に流出する有機物質はDBP前駆物質に寄与することを示唆した。しかし、Poudre川流域での山火事区域と他の区域で基底流量時のDBP生成量に大きな差はなかった。この調査の結果より、荒天時の原水水質では短期間の影響が大きいが、その他の期間では従来の浄水処理過程で増加する有機物質濃度とそれに続くDBP生成量を効果的に削減できた。また、実際のFort Collins浄水場の運用では山火事後も顧客に高品質の水道水を提供するために、環境モニタリングの増加、Poudre川の長期取水停止、給水の相互融通、前凝集沈澱池の建設により対応した。