トンネル用低周波騒音低減装置を実用化

摘要

三井住友建設は，トンネル用低周波騒音低減装置レゾウォールサイレンサ(RWS:Resonance Walll Silencer)を，茨城県発注の十国トンネル工事に導入•設置し，その適用性と騒音低減効果を確認したと発表した.同装置は，スリットを有する吸音隔壁(レゾウォール)を，延長20～30m程度にわたってトンネル形状にあわせて設置し，トンネル断面方向に設けた妻隔壁とレゾウォールで囲まれたトンネル内空部分を共鳴空間として利用することで，スリットから吸収した低周波音を吸音吸収するもの.従来の吸音管や吸音箱では，低周波音を吸収する開口部が小さく，また，共鳴空間の確保が難しいことから，効果的な吸音吸収が難しかったが，開口部をスリットとし，共鳴空間としてトンネル内空そのものを活用することで，効果的で安定した低周波音低減を可能とした.スリット幅の調整により低減させたい中心周波数をチューニングすることが可能で，要求性能に合わせた対策を実施することが可能としている.