トンネル新技術への挑戦: 密閉型矩形シールド（パドル•シールド）工法

摘要

昨今，都市内では輻輳する埋設物や小土かぶりといった厳しい施工条件の工事が増加し，また，トンネル断面の有効活用のために，矩形断面のシールドエ法へのニーズが高まっている.これに応え今回，汎用品の使用や機構の単純化を図った軸付き横配置カッタ，強制攪拌によりチャンバ内土砂の塑性流動性を向上させるためのパドルスクリュー，さらに，小土かぶり部での地表面の変位を抑制できる上段カッタスライド機構を装備した掘削機を用いた「密閉型矩形シールド工法(パドル·シールド工法)」を開発·実用化したので紹介する.なお，パドルとは船をこぐ櫂の意味で，櫂のように前後方向に回転させながら掘削する機構を持つことから命名した.