路面電車と地下鉄に挟まれた地下空間に開削工法で道路を建設: 環状第5の1号線　雑司が谷工区

摘要

環状第5の1号線は渋谷区広尾五丁目から北区滝野川二丁目に至る全長14kmの環状道路であり，都心に集中する交通の分散化など，重要な役割を担っているが，池袋駅周辺の延長約1.4km 区が未だ整備されていない状況にある.東京都交通局では，この未整備区間のうち都電荒川線と併行する区間を東京都建設局より受託し，2013(平成25)年3月に工事に着手，工程が先行した雑司が谷工区のトンネル築造を2018(平成30)年10月に完了させた.トンネル築造にあたっては，上部に位置する都電荒川線，および下部に位置する東京メトロ副都心線の安全な運行を確保しながら，限られた施工空間で工事を進める必要があり，さまざまな施工条件を克服する必要があった.本稿では，雑司が谷工区の着手から，トンネル築造完了までの経緯について報告する.