クロッシングの構造強化による延命化保線部門

摘要

可動クロッシング(Cr)の燕尾端部の損傷は対向進入の分岐器で発生しており、累積通過トン数を基準とした更換時期の目安に比べ、極端に短い周期で更換している。損傷前歴のある箇所で燕尾端部と車輪の接触状況を確認するため、燕尾端は損傷発生の燕尾端先端より20ミリ分岐器前端部での断面形状、車輪はフランジ角の大きい摩耗車輪の断面形状と重ね合わせた。新品Cr構では踏面、燕尾端への車輪の接触はなく敷設後100日経過で側面が変形•摩耗することで、踏面、燕尾端に車輪が接触した。マンガン鋼の加工硬化性を生かし、Cr構にKIP処理し側面の変形·摩耗量を約33％抑制、敷設後173日で燕尾端損傷、369日で燕尾端接触と、時期をそれぞれ遅らせることができた。