墨滴

摘要

6月21日の緊急事態宣言解除からわずか10日で東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者数が376人から714人まで増えた。700人台は5月26日以来。短期間での感染者急増、変異株の流行もあるだろうが、ウイルスの感染力が収まる兆しはない▼まh延防止等重点措置に移行し、最初の週末を迎えた6月26日の都内の夜の人出は1週間前と比べ22地点のうち19地点で増加した。こちらも衰える気配は見せず、人流は拡大し続けている▼五輪開催を踏まえての宣言解除だったようだが、政府の思惑通りには進まない。専門家によれば、7月下旬には新規感染者数が2000人に達するとのシミュレーションも報告されるなど、4度目の宣言発出の可能性も出てきた。宣言解除を機に反転攻勢をかけようとしている企業などにとっては気がかりな材料だ▼宣言解除に計画性や確固たる根拠はあったのだろうか。昨年来からのコロナ禍。政府や自治体が繰り出した各種対策に果たして実効性はあったのか。計画性などがないがゆえに、コロナワクチン職域接種の新規受け付けを停止せざるを得ない事態になっている点はどう説明するのか▼まさに「行き当たりばったり」「出たとこ勝負」ともいえるコロナ対策。頼みのワクチンも底を尽きそうな？今、「安全·安心」な日常はいつになったら戻るのか。自粛の日々が、またやってくる……。