微気圧波低減のタめの新しい列車先頭部形状音響理論駆使、「多段型」が有効

摘要

新幹線などの高速列車は、「長い」流線形の先頭部を有しているのが一般的です。流線形先頭部は、列車が空気中をできるだけ滑らかに走行できるようにする空気抵抗を低減する役割があります。ところが、空気抵抗低減のためだけであれぱ、現在の新幹線列車のような「長い」先頭部は必要ありませh。「長い」先頭部は列車がトンネルを走行する際に必要となります。高速列車がトンネルに突入する際、トンネル入り口付近の空気が列車先頭部に圧縮されることで音波が生じ、この音波の一部がトンネル外部に放射されます。トンネル外部に放射された音波を微気圧波といいます。「長い」先頭部の役割は、この微気圧波をできるだけ小さくすることにあります。ここでは、高速列車の先頭部の役割、歴史と最新の研究成果について紹介します。