墨滴

摘要

プロ野球阪神タイガースの本拠地で、全国の高校球児の憧れの舞台。阪神甲子園球場で、芝の育成にビールが使用されていると聞いて驚いた▼正確に言ろと、ビール醸造の副産物である「ビール酵母細胞壁」を用いて製造された肥料。グラウンドの管理運営を担当する阪神園芸が採用し、5月末から7月末にかけて3回散布したといろ。現在、芝は順調に生育している▼食品由来の安全、安心なこの肥料、元々はアサヒグル了プホールディングス傘下のアサヒバイオサイクルが開発したもので、植物の成長促進や免疫力向上といった効果があり、農薬や化学肥料の使用抑制、土壌改善による農作物の品質アップに役立つとして国内外で多く使われている▼全国のゴルフ場でも使用事例があり、芝の強化などに威力を発揮していると聞く。天然芝の甲子園球場では、芝が強く均一化されることでイレギュラーバウンドが減るほか、根がしっかりと張ることでクッション性が高まり、選手の体への負担軽減なども期待されている▼阪神園芸の担当者は「例年に比ベて根の生育が良く、芝の育ちが早いよろに感じる」と話している。さらには、芝の強化によって管理作業が低減し、温室効果ガスの排出量削減につながる点にも注目したい。地球環境にやさしい取り組みが、こんなところにもあった。