スマ一卜モビリティ社会に貢献する自動車用高強度鋼板の表面処理技術の最新の進歩

摘要

高齢化•人口減少社会の本格的な到来を前にして，安全个夬適で環境負荷の小さい移動手段の提供は.ノヾリアフリ一かつ持続可能な社会の実現の観点から最重要課題である。特に自動車用素材の分野では，車体軽量化によるco2排出削減に寄与する環境に優しい素材の適用拡大が喫緊の技術課題である"'2)。なかでも高強度鋼板は，①安価でリサイクルが容易，②加工•溶接性が優れる，③組織制御による強度調整が容易等の理由で.優れた自動車車体材料と言えるlha。ここで，溶融亜鉛めつき処理を施すことで鋼板の腐食が抑制されること，さらにめつき処理後に加熱処理し，鋼板表層部と亜鉛めつき皮膜を反応させて亜鉛鉄合金めつき皮膜に改質すると溶接性や塗装後耐食性が改善するため，車体の耐久性が飛躍的に向上する。そのため，我が国の自動車用鋼板としては，合金化溶融亜鉛めつき鋼板(GA鋼板）が幅広く使用されている3)。従って.母材に高強度鋼を適用した高強度GA鋼板を開発することで，自動車のLLC (Life Cycle Cost)を向上させ，持続可能な社会に貢献する環境調和型自動車用素材力《提供できる。