バジルの香気成分に及ぼす空気中二酸化炭素濃度の影響

摘要

以上の結果より、矢島らの報告と同様に、高濃度のCO_2がバジルの香気成分に影響を与えることがわかった。本研究の新たな知見として、CO_2濃度を通常と高濃度のサイクルを繰り返し行った場合、1回目と2回目のサイクルの香気成分の挙動は同一のものではなかったことから、濃度変化のサイクルも香気成分の代謝や放出に影響することが明らかになった。また、バジルにHCHOを曝露させた場合、香気成分量が初期は低下するが、時間の経過に従って増加していき、曝露を停止すると香気成分量が曝露前に比べて大きく増加することがわかった。したがって、植物の香気成分は、温度、湿度、光量子束密度、CO_2濃度等の他に、HCHO濃度によっても影響を受けるということがわかった。