名古屋市の下水道施設における臭気対策について: 水処理センター•汚泥処理場•雨水滞水池における臭気対策

摘要

下水道の目的は、浸水の防除•公衆衛生の向上に寄与することであり、下水道施設は、都巿活動を支える重要な社会基盤である。ところが、下水道の役割が重要であるのにも関わらず、下水道施設が嫌われることも多い。その原因の一つが臭気である。ただ、下水道施設は、汚水を集め処理する役割であることから、必然的に臭気が発生する構造である。名古屋巿の下水道は、大正元年(1912年)に供用を開始し、平成24年(2012年)で100周年を迎えたが、都市の発展とともに下水道施設周辺の市街化が進んでおり、下水道施設における臭気対策は取り組むべき重要な課題の一つとなっている。本稿では、名古屋巿(以下、本市という)の「水処理センター」「汚泥処理場」「雨水滞水池」における臭気対策の取り組みを紹介する。