生物脱臭装置における水分挙動の観察

摘要

都市域型大気汚染である光化学オキシダントの原因物質の1つ、VOC(揮発性有機化合物)については、その排出削減が課題である。中小規模の事業所にも自主的な取り組みが求められており、コストパフォーマンスの良いVOC処理技術が求められている。そこで筆者らは、費用削減や低環境負荷が期待される生物脱臭法に着目し、充填塔式生物脱臭装置を用いたVOC処理について検討を行っている。この装置は、高い気液表面を持ち水分量が少ないため、水溶性の処理に適しているとされているが、適切な水分量は数値として明示されていない。そこで本研究では、充填塔内の微生物群とVOCガス間に介在する水分量とVOCガスの除去効率の関係を明らかにするための充填塔内の水分挙動のモニタリング手法の確立を目的とした実験を行った。