高速道路建設におけるコンクリート施工性能への取組み: コンクリートの施工性の観点から品質の向上について考える

摘要

日本道路公団（以下，JH）は平成17年10月に分割民営化され，新しい組織として事業運営を始めた。本稿が発刊される時には，もうすぐ一周年を迎える頃である。さて組織が民営化されたものの，JHの使命であった我が国の高速道路ネットワークの整備事業は受け継がれて，3会社合わせてまだ約2000km（新直轄区間含む）の高速道路の建設を行っていく計画となっている。それに伴い，橋梁，トンネル，擁壁，用排水路など，これからも膨大な数のコンクリート構造物を建設していれなければならない。近年，“ライフサイクルコスト”や“アセットマネジメント”という言葉が，社会資本整備に関する多くの場面で頻繁に使われる中，コンクリート構造物の耐久性が重要なキーワードの一つとなっており，建設段階で品質のよいコンクリート構造物を造ることば，道路事業者としての大きな責務となっている。