サンドイッチ構造の耐火技術と設計

摘要

鋼とコンクリートを力学的に結合した構造形式に合成 構造がある。ここで対象とするのは鋼がコンクリート表 面に位置する合成構造を対象とする。図－1に示すサン ドイッチ部材は板部材で両面が鋼板で内側がコンクリー トで充てんされている部材である。オープンサンドイッ チ部材は片側鋼板で他方が鉄筋コンクリートで構成され る部材である。建築でよく使用される周囲が鋼で内側コ ンクリートの合成柱と構造コンセプトが同じである。鋼 のみの構造部材では数100℃を超える高温で強度が低 下し耐荷力が急激に減ずる。2007年4月米国で鋼製橋 脚に可燃物を積載した車が衝突し，火災を生じ鋼材が強 度を失い橋梁が崩壊した事故例が発生した。しかし合成 部材にすると鋼部分の耐荷力が低減してもコンクリート 部分で自重分程度の荷重に対して保持でき，建築では合 成柱と合成スラブが採用されてきた。また合成柱の耐火 性能に関する研究も古くから行われてきた。これらの研 究成果を踏まえて，合成柱や合成スラブの部材では軽微 な耐火被覆あるいは無しでも良いとの考え方が，建築分 野では支配的である。