設備投資の先行指標

摘要

日本経済は、長らく続いた設備投資の低迷局面から、ようやく脱しつつある。内閣府が2014年6月9日に発表した14年1-3月期の四半期別GDP速報(2次速報値)によると、同期の設備投資(実質)は前期比7.6%増加した。13年度中の設備投資を振り返ると、13年4-6月期と7-9月期にそれぞれ前期比で0.9%と低水準の伸び率が続いたが、10-12月期は同1.6%増へと増勢が加速し、さらに14年1-3月期には増加率が一段と拡大したことで、設備投資の回復基調が鮮明になった。なお1-3月期は、設備投資の好調に加えて、14年4月の消費税率引上げ(5%→8%)を前にした高額品等の駆け込み需要が発生したことから個人消費や住宅投資が急増した結果、実質GDP成長率は前期比1.6%、同年率では6.7%と、11年7-9月期(年率10.8%)以来10四半期ぶりの高成長を記録した。年度ベースでみても、13年度の実質GDP成長率は2.3%(12年度は0.7%)、設備投資は2.6%(12年度は0.8%)と、ともに12年度の停滞から大きく持ち直している。