東京圏における人口の自然•社会増減の空間的変化

摘要

平成22(2010)年の国勢調査結果からうかがえる近年の人口分布変化の大きな特徴として、東京圏への人口一極集中が挙げられる。平成17(2005)年の同調査と比較すると、全国の総人口はほぼ横ばい( + 0.2%)であったのに対して、東京圏(埼玉県•千葉県•東京都•神奈川県)の人口増減率は + 3.3%であり、他の地域プロックと比較しても増減率は突出している。国立社会保障•人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」や、2014年5月に日本創成会議が公表した将来推計人口において、今後非大都市圏での大幅な人口減少が見通されていることなどを受け、人口の東京圏への一極集中に関する議論は近年高まりをみせており(増田 2014)、東京圏の人口が今後どのように推移していくかは、引き続き高い注目を集めるであろう。