気仙沼処理区における津波堆積物由来の再生資材と盛土材への適用性

摘要

気仙沼処理区で処理された津波堆積物由来の再生資材は，再生砕石等の粗粒材を配合し，粒度調整と締固め特性の向上を図ることで，道路盛土や堤体材料に適用可能な力学特性を示すことが確認された。また，他の災害廃棄物由来の粗粒材を配合したことは，処理業務全体のリサイクル率を高め，最終処分量の縮減につながった。環境安全性については，自然由来重金属に対する不溶化処理が有用であった一方，直ちに健康被害等が生じるものではないが，基準値超過の項目も確認されているため，有効利用に際しては，用途や利用場所，利用先の基準に留意するとともに，トレーサビリティーを確保する必要がある。また，周辺の地盤環境に応じたモニタリングの実施と覆土による生活環境の保全を検討する等，再生資材の環境リスクを適正に評価•管理することで有効利用が促進されると考えられる。