Digital Image Correlation (DIC)を用いた地盤の変形解析手法

摘要

固体力学における実験的な研究手法は，画像解析や光学的測定方法における近年の著しい発達により大きく進展している。その1つとして，Full-Field Measure-ment(全領域測定法)があげられる。材料の力学特性を調べるにあたり通常用いられる計測は，供試体の境界部分に取り付けた変位計や圧力計などの変換器を用いて行われている。このような離散的な点での計測で評価される材料の力学的な応答は全体的な応答であり，供試体の平均的な特性を評価しているに過ぎない。このため地盤材料のように不均質な材料であり，ひずみの局所化など不均一な変形挙動を示す材料の力学特性を評価するためには離散的な計測ではなく，供試体や模型地盤の全領域で変形，応力，密度，温度などの物理量が測定可能な手法を適用することが望まれる。近年ではX線CTや高精度デジタルカメラによる二次元，三次元イメージングと粒子追跡法(Particle Tracking Velocimetry (PTV))や，デジタル画像相関法(Digital Image Correlation(DIC))などの画像解析手法を組み合わせることにより，単なる画像の観察では得られない定量的な情報を画像解析より抽出する研究が多く行われている。ここでは,DICの原理について解説し，適用事例について紹介する。