RRR補強盛土による鉄道盛土構造物の災害復旧事例: 平成25年山口県·島根県豪雨災害におけるJR山口線の被害と復旧工事

摘要

平成25年7月28日の山口県·島根県豪雨災害では，山口県北部と島根県西部で豪雨が発生し，津和野町では1時間の最大降水量91.5mm,3時間降水量197.5mm,1日降水量381.0mmを観測し，記録的な豪雨にみまわれた。その影響により，JR山口線の船平山～津和野間において大規模な土工被害を受けた(図-1)。多量の土石流や川の氾濫により，盛土崩壊や盛土背面の機能喪失，橋梁の埋没など多数の被害が生じた。このうち本稿は，川の氾濫水の攻撃を受け，浸食，崩壊した高盛土箇所を補強盛土(RRR工法)により復旧した58k380m箇所の工事事例において，被災箇所に隣接する建設残土を使用してセメント安定処理をした盛土材による補強盛土の施工について報告する。