自走式バイブ口ドリルマシンで設置可能な打ち込み式注入管の開発

摘要

一般的な地盤のボーリング調査は，地下の土や岩の試料を直接観察したり，地盤の強度や透水性などの物理的な性状を求めたりする目的で行われる。今世紀になって，土壌及び地下水汚染が深刻な環境問題として顕在化し，法整備も進んだことにより，各地でボーリングによる土壌汚染調査が実施されるようになった。土壌汚染調査を目的とした試料採取では，試料の乱れをできるだけ回避し，化学的な原位置での再現性を確保することが重要となる。そのため，掘削に際しては採取試料が二次汚染することを防ぐために無水で掘削作業を進める必要がある。また，比較的狭い範囲で複数の地点を調査する場合が多く，機動性と試料を短時間で採取できる方法が求められている。そこで，ロータリー方式と比較してサンプリングが速く，打撃式削孔機より騒音や振動の発生は抑えることができる自走式バイブロドリルマシン（以下，バイプロドリル）が開発され，多くの土壌汚染調査や観測井戸の設置に使用されるようになっている。