福島第一原発事故後における，相馬市•南相馬市での内部被ばく検査を通した住民対話の取り組み

摘要

2011年3月の地震および律波，そしてそれに続く福島第一原子力発電所事故（以下，震災）は，福島県浜通りを中心に広範囲にわたる放射能汚染を引き起こし，地域の住民はその長期的な対策を余儀なくされた。筆者は震災直後からこれまで，福島県浜通りに位置する相馬市•南相馬市を中心として，医療支援および市町村の被ばく対策に従事してきた。現在も地域での診療を続ける傍ら，相馬市•南相馬市の放射線に関する委員会の委員も務めている。食事や呼吸などで放射性物質を体内に取り込hでしまうことにより，放射線を浴びてしまうことを内部被ばくと呼ぶ。本稿ではこの地域における内部被ばくの現状やこれまで行われた対策，住民との対話について，筆者の経験を基に紹介したい。