淀川本川の高頻度定時調査と出水時調査による農薬流出評価

摘要

淀川本川横断方向3地点で3日に1度の定時調査を2005年に5ヶ月間実施し，5回の出水時調査も併せて水田施用農薬の流出評価を行った。大規模流域ゆえ幅広い濃度・負荷量ピークが出現し，出水時は支川からの出水影響による濃度ピークが見られた。ほとんどの農薬で5回の出水時調査合計負荷量がその間の定時調査分を上回り，農薬の面源負荷流出特性が裏付けられ，農薬施用期と降雨の規模と時期的一致の影響の大きさが示唆された。2001，2004年の同様の定時調査と期間総流出負荷量の差を水文量の関係から比較した。3日に1度の定時調査と，6，9，15，30日間隔で総流出負荷量を評価した。渇水年ゆえ6日や9日間隔も総流出負荷量を過小評価でもかなりの精度で推定できるが，15日や30日間隔では多くの農薬で過小評価となった。水道水質基準のDI値は出水時を含めて0.37以下で，渇水の2005年は，豊水の2004年や平水の2001年よりDI値が低かった。