下水道•河川•道路の連携による水位情報の見える化

摘要

近年、局地的な大雨等の増加や都市化の進展に伴う雨水流出量の増大により、浸水被害のリスクが高まっています。こうした背景を踏まえ、平成27年度には水防法改正により水位周知下水道制度が創設されるなど、下水道における水位情報の観測や提供が重要視されています。本市においても、集中豪雨や台風により、これまでに多くの浸水被害が発生してきたことから、浸水対策の優先度が高い地区として整備促進エリアを82ヵ所設定し、重点的にハード対策を進めてきました。しかし、大規模な.雨水幹線や雨水貯留施設の建設には多くの期間と費用が必要であり、浸水被害の軽減に向けた施設整備が追い付いていないのが現状です。そのため本市ではソフト対策も積極的に推進しており、平成23年には浸水実績に基づく浸水想定区域や大雨時の自助•共助の取組みの例、避難時の注意点や情報の入手方法などを記載した「さいたま市浸水（内水）防災マップ」を作成し、平成28年には浸水想定区域の更新や多言語化を行うなどのソフト対策を行っています。そしてこのたぴ、ソフト対策のさらなる充実のため、関連部局と連携した総合的な浸水対策の一環として、平成29年4月より「さいたま市水位情報システム」の運用を開始しました（図-1)。