法定相続情報証明制度とライフプランニングに閼する一考察: 気づきのヒントは水循環

摘要

その日は、バスがあるのに、30分も歩かなければならない自宅に向かって、夕日の中をてくてく歩いて行きたいと思い、ひとり後姿の黄昏れて歩いていました。都市は便利ですし、都合のよいことも多いので、相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し所有者所在不明土地問題~（*1）や空き家問題等の不安な基盤の上で今日もこうして暮らしています。しかし、2017（平成29）年5月29日から、法務省が相続登記を促進するために取り組んで「法定相続情報証明制度」が始まっています。これは、戸籍謄本等の束の代わりに「法定相続情報一覧図」という1枚の紙で相続関係を証明してくれる制度です。不動産や預貯金、株式等の遺産を相続する人の名義に変更する場合には、その相続関係を証明するために被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要になり、これらを揃えるには多大な時間と労力が求められます。本制度が始まったことで、一度法務局に法定相続情報を登録しておけば、相続手続きに際して法務局が発行してくれる法定相続情報一覧図を提出することにより効率的に進めることができます。本制度を前段で紹介します。