裁判所と仲裁廷の関係(8): 仲裁事件の併合

摘要

海事紛争では、同一船舶について、複数の関係者が登場することが多い。典型例は、船主-傭船者-再傭船者という連鎖である。そこで例えば、非安全港が指定された場合、船主が傭船者を相手に仲裁を開始し、それを受けて傭船者がさらに再傭船者を相手に仲裁を申し立てる。このとき、特別の措置がない限り、「船主VS傭船者」、「傭船者vs再傭船者」は、別個の仲裁事件と扱われる。つまり、2つの仲裁廷が設置され、別個に仲裁人を指名し、仲裁判断も別々に下される。