追い風が続ぐVLGC市況

摘要

2021年のLPGの海上輸送量は伸び率が鈍化する可能性が指摘されているものの、パナマ運河における滞船増や通峡システム変更を背景とするVoyage期間長期化による船腹需給の引き締まり期待がそれを上回り、VLGCのVoyage TCEは2015年以来の100,000ドル/日越えとなった。2021年以降はドライドック入りするVLGCの増加による船腹需給の引き締まり期待も加わりやや楽観的な見方が支配している。市況回復局面で新造船発注が増加傾向にあるものの、米国発アジア向けLPG海上輸送量は中長期的には期待通りの拡大途上にあるものと思われ、一時的な船腹需給の不均衡が発生する可能性はあるものの、基本的には需給は健全な状態が持続することが予想される。VLGC市場は2021年以降も、引き続き期待されているストーリーを現実化していくものと想定される。