大間原発敷地内の典型的な活斷層露頭(后編)

摘要

下北半島北西端，大間岬の西岸では，電源開発により，大間原子力発電所(本論では大間原発と略称で呼ぶ）が建設されようとしている。しかし，電源開発が原子力規制委員会の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」(以下.審査会合と略称で呼ぶ)に提出した多くの資料を見ると，大間原発の敷地内には，典型的な活断層露頭が多く存在している。前編'では，これらの典型的な活断層露頭のうち，原子炉建屋の建設が予定されているM3面を切る，シーム10と呼ばれる活断層に関わる露頭について紹介した。M3面は，約10万年前のMIS 5cと呼ばれる海進期に形成された海成段丘面であり，シーム10は，その海進期の波蝕面およびそれを覆う堆積物を変位させていることから，新規制基準による「活断層」2に当たることを述べた。