COVID一19初期のウィルス侵入阻止薬剤を同定東大医科研

摘要

東京大学医科学研究所ァジァ感染症研究拠点の井上純一郎教授と山本瑞生助教は、新型コロナウィルス感染症(COVID—19)の原因ウィルスSARS—COV-2が細胞に侵入する最初の過程であるウィルス外膜と細胞膜との融合を、安全かつ定量的に評価できる膜融合測定系を用いて、セリンプロテアーゼ阻害剤であるナファモスタツトが、従来発表されている融合阻害剤に比べて10分の1以下の低濃度で膜融合を阻害することを見いだした。東大の五神真総長は「井上教授は2011年、MERSコロナに既存薬が有効であることを示唆する結果を出した。今回の成果は、この蓄積があったからこそできた。論文発表に至っていないが、新型コロナの社会的影響を鑑みて一日も早く公表する必要があり、今回の発表になった。ナファモスタツトは臨床で30年以上使われておりヽコロナへの効果はかなり強い。感染初期の細胞融合を阻止するため、他の薬剤との併用による臨床研究を、国立国際医療研究センタ一(NCGM)ヽ東大附属病院、医科研はどが密接に連携して対応していく」と話す。