酸素医学コアセンター 酸素の必要性と毒性を理解 異分野融合で病態の本質に迫る ART (東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター) 山本雅之コアセンター長が紹介

摘要

私たちは、生存のためのエネルギー源として、常に酸素をとりこんでいます。呼吸によって肺に入った酸素は、血液中の赤血球を介して全身の細胞に供給されます。高地などの酸素濃度の薄い環境での生活や貧血による酸素供給不足は、「低酸素ストレス」として生存を脅かす重大な危機となります。一方、酸素は「酸化ストレス」として、細胞を傷害する特性もあわせもちます。これらの酸素に起因するストレスは、がんや老化、生活習慣病と深い関わりがあることがわかってきました。私たち「酸素医学コアセンター」では、酸素の必要性と毒性の二面性を理解することにより、病気のメカニズムを解き明かし、治療に役立てることをめざしています。また、「酸素医学」という新たな研究分野のパイオニアとして、基礎研究の普及にもとりくんでいます。