世界初の光ファイバ通信公開実験を再現 東工大で50周年イベント 末松栄誉教授が講演

摘要

50年前に公開された世界初の光ファイバ通信実験の再現デモンストレーションが、5月26日に東京工業大学博物館·百年記念会館で行われた。これは、同大学のホームカミングデイに合わせた記念行事として行われたもので、同大学の三島良直学長はじめ、集まった同大OBなど大勢の関係者を前に、50年前この実験を指導した同人学の末松安晴·栄誉教授(元東京工業大学学長)が当時を振り返って講演したり、当時のシステムを再現した光通信実験のデモを実施したりした。50年前に行われた光ファイバ通信実験は、1963年5月26日の東京工業大学創立記念日における全学祭行事の一環として実施されたものである。「光ファイバというものが、まだ通信に用いられることがなかった時代のことで、知る限りではこれが世界初の光ファイバ通信実験でした。この実験の前には、1959年にクラッド付きの光ファイバがカパニーニらによって実験された。また1960年にはルビーレーザがメイマンらによって61年にはHe-Neガスレーザがジャバンらにより、そして1962年にはGaAsホモ接合半導体レーザが米国4機関でパルス動作ながら、それぞれ発振して出現しています。戦後間もない時代で、市民が最新の科学技術に接する機会が少なかったので、本大学では創立記念日に全学祭を開催して研究成果の一端を一般公開していました。我々の光ファイバ通信実験も、そうした行事の一つとして行ったものです」。末松栄誉教授は当時を振り返って、そう講演で紹介した。