災害時の臨時回線に活用 気球無線中継システムの実証実験進む ソフトバンク

摘要

ソフトバンクモバイルは、災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させることを目的に、係留気球を利用した臨時無線中継システム(気球無線中継システム)の実証実験を昨年5月から実施しているが、このほど実験経過を公表した。実証実験では、昨年からシステムの有効性が確認されている、広帯域通信が可能な中継元基地局を移動体通信網へ直接接続する構成に加えて、新たに衛星通信回線を介して移動体通信網に接続する構成を構築した。これによって、中継元の基地局に影響があって通信が確保できない場合でも、迅速に通信を復旧させることが可能になる。また実証実験では、機動性を高めるため、係留気球の大幅な小型軽量化をはかり、地上係留装置の簡素化を実現した。この実証実験は、今年の6月末まで引き続き行う予定である。同社では実証実験を踏まえ、災害時の臨時回線としての利用に備え、気球無線中継システムを全国の主要拠点に配備する予定だ。