iPS細胞への迅速な再プログラム化

摘要

C/EBPαはB細胞に誘導多能性幹細胞iPS細胞)への迅速な再プログラム化の準備をさせると、ゲノム調節センターのB·Di·Stefano博士らが報告している。(ネイチヤー74007号)CCAAT/エンハンサー結合タンパク質α(C/EBPα)は、B細胞のマクロファージへの分化転換を高効率で誘導し、転写因子Oct4(Pou5f1)、Sox2、Klf4およびMyc(OSKM)と共発現させた場合にiPS細胞への再プログラム化を促進する。しかし、これらの効果を達成する仕組みはわかっていない。スペインの科学者らはこのほど、マウスの初代培養B細胞で一過性にC/EBPαを発現させた後にOSKM活性化を行うと、その細胞集団の95%で、iPS細胞への再プログラム化効率が100倍に上昇することを見いだした。この転換過程で、多能性および上皮-間葉転換に関与する遺伝子が顕著に上向き調節され、細胞の60%が2日以内にOct4を発現する。