金属使わずにエネルギー貯蔵 有機—無機水系流動電池実証

摘要

太陽や風などの断続的再生可能資源からの発電の割合が増えているため、大量の電気工ネルギーを貯蔵する能力がますます重要となってきている。固体電極電池は、ピーク電力で放電を維持する時間が短すぎるので、風力発電や太陽光発電の出力を十分安定化できない。これとは対照的に、流動電池は、電気活性種をすベて流体状態に維持することでシステムの電力成分(電極面積)とエネルギー成分(任意の大きさの貯蔵体積)を独立してスケール調節できる。しかし、とくにレドックス活性金属や貴金属電極触媒を使う場合、これらの物質の存在量と価格によって流動電池の大規模利用が制限される。ハーバード大のB.Huskinson博士らはこのほど、キノン類と呼ばれる分子群の好ましい化学的特性や電気化学的特性を利用した1種のエネルギー貯蔵物質を明らかにした。(ネイチャー7482号)。