遺伝子組み換えカイコの隔離飼育試験

摘要

農林水産省は、遺伝子組み換えカイコを一般的な農家で飼育可能かを検討する隔離飼育試験を開始すると発表した。検討されているのは、農業生物資源研究所が平成20年に開発したGFP遺伝子を導入した遺伝子組み換えカイコで、同カイコは緑色蛍光シルクを産出する。農林水産省と環境省は、これまで専門家で組織する生物多様性影響評価検討会昆虫部会で、現地調査を行うなどして同研究所からの申請を検討してきた。遺伝子組み換え農作物等を一般的な農家で栽培あるいは飼育するには、カルタへナ法に基づき、①小規模な隔離園場(隔離飼育区画)での飼育•栽培試験、その結果を受け、②農家での栽培・飼育という2段階の試験を実施し、各試験結果，について専門家により生物多様性への影響がないという評価を受ける必要がある。同研究所は昨年7月に隔離飼育区画での試験を開始するための承認申請を提出していた。