文化勲章 大隅、太田氏

摘要

大隅氏は、酵母を用いた研究により、オートフアジー現象を世界で初めて光学顕微鏡により観察することに成功するとともに、オートファジーに関わる遺伝子群を明らかにし、その分子機構を解明した。また、オートファジー遺伝子が種を越えて広く保存されており、オートファジーが普遍的な機能であることを示した。これら遺伝子の同定を契機に、ヒトを含む多数の生物においてオートファジーの役割が解明された。すなわち、オートファジーが栄養飢餓に対する応答のみならず、細胞内のタンパク質やオルガネラ、さらに細菌などの分解を通じて、細胞の機能維持に重要な機能を持つことが明らかになった。これらの発見は、多くの研究者をオートファジー研究に新たに参入させ、オートファジーの役割の理解が大きく進展した。