個別事例に対応する施策必要

摘要

定点調査では、大学をグループ別に分類•公表しているが、個別大学レベルまでの詳細な結果は明らかにしていない。そのため、政府の拠点形成事業などの各種支援事業への採択と認識の相関は必ずしも明確になっていないが、大学改革関連の質問で同じ現場研究者やマネジメント層であっても認識に大きな差があることから、何らかの相関がありそうだ。また、多くの大学で研究費のセーフティーネットが整備されておらず、外部資金を獲得できなかつたため、自由記述の中では自費で研究するような事例が見うれた。大学での研究を維持するためには研究者からの寄付金で補填せざるを得ないといった記述もあり、現場の非常に厳しい状況が示された。こうした事例も平均化してしまうと見えなくなつてしまうため、各大学•研究科の個別の状況(資金、人材、環境整備等)を明確にして、それぞれに対応できる施策を展開する必要がある。