環境経営と環境情報システム導入における考慮ポイント

摘要

近年，企業の価値をトリプルボトムライン（収益，社会責任，環境）で評価する流れが顕著になってきた。収益性だけでなく，企業倫理や環境配慮も経営の評価軸になる。21世紀に生き残る企業の条件ともいえる。また，こうした取組みを株主総会で環境報告書や環境CSRレポートとして配布することも普及し始めており，企業価値向上という経営課題のために，環境に取り組む必要が出てきた。しかし，課題も生じている。① 責任範囲が企業グループ全体，すなわち連結経営対象のすべての事業所や関連会社へと拡大したことにより，より広い範囲で環境情報を集約する必要が生じた。② コーポレートガバナンスの一環として統合的に管理することが求められるようになったため，環境経営としてコーポレート部門はより迅速かつ網羅的な情報収集と分析能力が必要となった。