環境測定・分析機関の国際的な取組み: 国際民間分析試験所連合（UILI）国際技能試験

摘要

有形の工業製品においては，国際間取引き の観点から，同一の規格あるいは品質や性能 を比較可能な規格で製品を製造することが広 く行われている。環境に関する化学分析にお いて，対象とする事象や物質は，通常は当該 国の国内における「環境」ということになるこ とから，各国独自に調査分析方法が規格化さ れ，運用されてきた。しかしながら，環境分 野においても国境を越えた問題（大気や水を キャリアとした化学物質の越境移動，化学物 質を含んだ製品や食品の輸出入）が増え，ま た国際間条約等の観点からも互いにデータ を比較する必要性が不可欠となってきてい る。たとえば国際条約では，近年ではPOPs （Persistent Organic Pollutants ：残留性有機汚 染物質）に関するストックホルム条約が有名 である。